本日のゲストはフード&テーブルコーディネーター ”マダムキッコ”こと、石川 紀久子さん。
あらゆる方面からの美について・・・。
見た目だけではない、内面の美しさは奥が深い。アイラッシュ・アーティスト 吉川みつこと語り合います。
talk1マダムの美的センス
- 吉川
- 突然ですが、何でそんなに綺麗でいらっしゃるのですか?
- マダム
- (笑)いやいや。そうですか?
- 吉川
- とにかくまずお聞きしたいのが、美肌を保つ秘訣と、健康でいる秘訣とか・・・いろいろ知りたいです。
- マダム
- 健康は寝ることよ。それとやっぱり暴飲暴食しないっていうこと。満腹が嫌いなの。
- 吉川
- 腹八分目までですか?
- マダム
- 八分目弱でもいいですね。もう少し食べたいなとかでやめておく。
- 吉川
- だからスタイルキープされていらっしゃるのですね。
- マダム
- 毎朝、体重計に乗るんです。私は毎朝30分お風呂に入るの。その中でホームエステ、お風呂の中で足伸ばしたり、筋肉が落ちないように…リンパの流れをよくするためにまずこのアキレス腱のところから循環してる。
- 吉川
- 下からマッサージしていくんですね?
- マダム
- 下から心臓に向かって。撫でるよりは結構強くしたほうがいいんですよ。奥に入ってるから。それを必ず全身にやります。ひざの後ろもね。
- 吉川
- 毎朝お風呂に入った時はそのマッサージをどのくらい続けてますか?
- マダム
- どのぐらいでしょうね?10年以上やってるんじゃない?
- 吉川
- すごいですね!以前講談社さんから出版された『マダムの寺子屋』読ませていただきましたが、そんなマダムの美しさの秘訣の本でした。他にはありますか?
- マダム
- 仕事に入っちゃうと運動どころじゃないのだけれど、あとすごい歩くことね。代謝が良くなる。歩くのは筋肉の運動ではない。だから代謝を良くするためには歩くこと。だいたい1日1万歩は歩いてましたよ。
- 吉川
- すごい。なかなか歩けないじゃないですか。1万歩って普通に歩いて多分1時間位ですよね。
- マダム
- だからヴィーナスラッシュまで往復歩いてましたよ。歩く習慣つけると5千歩、6千歩なんてすぐだから、何か物足りないんですよね。歩いてる習慣。だから絶対これは歩くといいの。走るよりいいのよ。
それと新しい発見もあるのね。景色なんて車を運転してたら分からないじゃない。だけどこうやって歩くと「ああ、こんなとこに…」とか「ここがそうか」とかちょっと裏道入ったら「あら、こんなところに階段があるの」とか「すてきなお家だな」とか、色んなことを発見します。
- 吉川
- 感性が磨かれますよね。
- マダム
- 季節によって風を感じたり木々の黄金色を感じたりね。
- 吉川
- 美しいと感じることに意識を向けていらっしゃるからこそですね。
talk2美の秘訣
- 吉川
- 美肌を保つ秘訣は何でしょうか?マダムのお肌は本当にキメが細かくて。顔を洗う時にこすらないことっておっしゃっていましたよね?
- マダム
- 石鹸をよく泡立てて洗顔しますね。洗顔はすごく大事です。どんなに酔っ払ってもメイクはきっちり落とさないとダメです。上質な石鹸を使って軽くこする程度です。
- 吉川
- 軽くヒヨコの頭をなでる程度で洗うって聞きます(笑)
擦ることでシミができると聞いて私も最近はなでる程度に洗うようにしています。特に頬のあたりはシミがどんどん薄くなってきたように感じます。
- マダム
- よく昔は体をナイロンみたいなタオルで洗ってましたよね。私の友達はあれで洗えばいいと思って洗ってたら湿疹になって逆に黒ずんじゃって。病院に行ってましたよ。
絶対良くないと思う。毎日お風呂入っていたらそれもあんまりする必要ないのよね。
- 吉川
- マダムはナチュラル美容ですよね?
- マダム
- あんまり触らないんですよ。理にかなった基本的なことだけ。
洗ったらきれいに落として、そして水分と油分を補給して。目元周りとかクリームとかつけてないのよ。美容液も、もう基本的なものだけ。
- 吉川
- 美容パックとかされないんですか?
- マダム
- パックもマッサージしないのよ。それよりだったら早く寝たい(笑)皆さんに聞かれるんだけど私はジェルでも何を使うのでも1回のお化粧にパッティングを100回しています。
- 吉川
- 100回ですか、なるほどですね。パッティングすると、お化粧品がお肌に浸み込んでいく感じがしますよね?
- マダム
- 筋肉を叩く感じに刺激を与えるのよ。お顔は筋肉だから、お顔は運動できないじゃない?
運動できない分、もう上からもう何しろ…パッティング。ひっぱたくんじゃなくてパッティング。疲れたりすると「眉間にシワ寄ってる」って言わますけど、叩いたら治っちゃうのよ、本当に。
- 吉川
- 本当ですか!マダムの美の秘訣はパッティングだったのですね。私もやってみます。
talk345才〜が良い女性の始まりです
- 吉川
- マダムは麻布サロンというお料理教室やテーブルコーディネート、お花などをされていらっしゃいますが、始めたきっかけは何だったのでしょうか?
- マダム
- 実は元々そうなろうと思っていたわけじゃないの。
- 吉川
- そうなんですか?元々お好きでとかじゃなくて?
- マダム
- 違うのよ。うちはお寺ですからお客様が多いじゃない?若手の副住職とか集まって新年会を開いたりするんです。そうするとお寺さんってお精進だけじゃなく色々なお料理を出すんです。私のお料理をお出しすると皆さんとても喜んでくださって。それに、お寺は留守ができないの。私はお花の先生、書の先生、フランス刺繍の先生、みんな家に来ていただいたの。
- 吉川
- 美味しいお料理はそこから生まれたのですね。それと色々習われていらしたんですね。
- マダム
- お友達と一緒に習ってました。そうしたら全部ライセンスが取れちゃったのよ。お花もいい先生について、初めはいわゆる○○流っていう華道よね。
それから時代とともにアレンジメントの時代になってきてライフスタイルが変わってきて、それも先生について資格を取りました。
書もそう。書はもうこの先生は絶対弟子を取らないという先生を1年待って、「何しろよろしくお願いします」と、もうその頃かなり高齢だったんですけど、ある時その先生の書を見た時感動したの。「ぜひ教えていただきたい」ってご紹介でその先生と会食して、何しろ先生のご都合でいいですから家にいらしていただいて。ちゃんとマンツーマンです。全部。
フランス刺繍もそう。フランス刺繍が一番古いかな?子供が幼稚園の時のお母さん達と一緒に習ってて、厳しかったですけどお細目があって、それ全部本部に提出して刺繍の講師になりましたけどね。最後に。
- 吉川
- 今それを生徒さん達にサロンで教えたりとか講演をされたりセミナーをされたりと、そういうふうに活かされてるんですね。
- マダム
- 「先生教えてください」って言うんだけど大変なのよ。お花教えるって。
- 吉川
- お花は深そうですね。見て学ぶのですか?
- マダム
- 説明します。このポットとお花の関係、それからこのテーブルに対しての大きさとか、季節とか、だから大きいものでも小さいものでもパーティー会場やったりするじゃない。
レストランのお花のプロデュースを10年やってました。前にお見えいただいたじゃない?
- 吉川
- はい、すごく大好きなお店でした。和と洋が織り交ざっていて素敵でしたしお店の雰囲気が落ち着くというか、それもやっぱり感性とか感覚とかマダムのセンスですか?
- マダム
- 私がやったということであったら、やっぱりもうどこから出てもパーフェクトはあり得ないけど、人それぞれ感性違うから。でもやっぱり手は抜けないの。
- 吉川
- そうですよね。マダムの麻布サロンもすごくゴージャスで素敵ですもの。
『麻布サロンはマダムの寺子屋』っていう出版された本、『~美しい日本のマダム、45歳からが良い女として生きる始まりです~』この言葉すごくいいなと思って。45歳から良い女の始まりなんだなっていう何か勇気をもらえる感じがしました。
- マダム
- やれる限り日頃が大事なのよね。45歳になって始めてもいいのよ。もちろん。
今の環境の中で急に変わることないでしょ。自分のライフスタイルの中でそう変わらないのよね。
だからお子さんを育てて、子供が高校大学の頃になると、結構私がそうだったのよね。
暇になるのよ。
それで「子供のお弁当を作らなくなって良かった」ってよく親が言う人いるけど、私こんな悲しいことはなかったの。本当言うと。私の役目はもう終わっちゃったのかしらと思って、自分のために何かをやらなくちゃいけない。そこから色んな外に向けて…それまでもいっぱいやってきましたよ。
もっともっと自分を磨こうと、それにはその先の50歳ぐらいになっていくと共に、みんな疲れてくると「ま、いいか」とか「楽なほうがいいわ」みたいになりますけど。
- 吉川
- 45歳というとお子さんの手が離れ始める頃の方が多いのでしょうか。ほっとして自分の時間が持てた時こそ自分磨きをスタートするか妥協していくか・・・
- マダム
- その方の背景が出てくるんですよ。
お話しても美しさっていうのは表面的にきれいなのはもちろんいいんだけど、だけど魅力ってその人の持ってるもの、お話して「あの人といたら楽しいわ」それ何かって言ったら色んなことを…物知りではないのね。
自分の考えをきちっと持ってて「これってこうじゃないかしら」ってお互いにずっとお話しできることが大事だと思ってます。それが私は美しさじゃないかなと思いますね。
- 吉川
- 内面から出てくるものですね。
- マダム
- ものすごい大事です。
- 吉川
- それが背景というものなのですね。色々なことに興味を持ってみたり聞いたり経験をしていかないと自分の言葉として中々語れないですよね。
- マダム
- 積極的にいっぱい好奇心を持って、それで何かで感動するとするじゃない?絵を見ても。音楽を聴いても何でも。絵を見た時に「あ、この人って素晴らしいな」そこから感じるものってある。
レイアウトの仕方、色の使い方ね。その人を知ると今度その人の一生の中でその絵の画風も変わってきてる事とかがわかるのよ。そうするとすごい楽しくなって、身近にいっぱい美術館もあればデパートとかでもね。
- 吉川
- ただ見るだけじゃなくって、描いた人の背景も見ていく。
- マダム
- ものすごく味があるのよ。この人若い女の子とずっと付き合ったけど、女の子に振られてるとか、ピカソですけどね。それでその時の暗い色の使い方とかは、もう本当にそれは感動します。
そうすると歌舞伎でも何でもそうなんだけど倍楽しい。
- 吉川
- そうですよね。美術館に行く時はそういうふうに絵を見たりするといいですね。すごい参考になります。
- マダム
- そうするともっともっと興味が出てくる。絵一つ見ても時代とともにね。音楽も違うじゃない?そういうのに私はすごい旺盛なんですよ。
- 吉川
- そうですよね。ライブハウスもお一人で行かれますものね。
- マダム
- 1人で行っちゃう。だって人誘ってたら「わたしは今日忙しくて、何時だったら」って言われたら面倒くさくて。限られてる時間だから。もうあたしの一生よ。毎日がね。
- 吉川
- 時間って大事ですよね。
- マダム
- そう。分からないですよ、明日どうかっていう。だから長いスパンでものを考えられない。若い人みたいに、あと3年したらこうしようとか、分からないそれは。だからもう日々、充実した毎日っていうことが大事。前に前に常に行ってる…
- 吉川
- 前に前にいつも好奇心を持って前進していくっていうことですね。
- マダム
- それしかないですね。
- 吉川
- 素晴らしいです。
- マダム
- いや、でも反省もしなくちゃいけないんだけどね(笑)
- 吉川
- ご自分で切り開いていくというか、マダムは理想を実現する生き方をされてらっしゃいますよね。
- マダム
- そうですか?
- 吉川
- はい。揺るぎないものがあります。でもそこにはたぶんすごいご苦労もたくさんあったと思います。だから私マダムと最初会った時は貫禄からすごく近寄りがたい方だなって思いました。
- マダム
- 皆さんそうおっしゃいます。
- 吉川
- でも親しくさせていただいて、色々お話しているとすごいかわいいところや純粋なところもたくさんおありです。
- マダム
- 純粋ですよ、私って。
- 吉川
- すごく純粋、そしてですごく人がいい。
- マダム
- そういうふうに捉えないのね。
- 吉川
- ギャップが魅力です。だから私マダムの事大好きなんです。
- マダム
- 要するにね、人が喜ぶことが好きなの。だからお料理。おいしいって言われたら、それはもうどれほど嬉しいか。
- 吉川
- 素晴らしいと思います。だから本当に出会えてすごく嬉しいですし、ご縁をいただけたことにとても感謝しています!これからもどうぞよろしくお願いします。
フード&テーブルコーディネーター
石川 紀久子さん
1993年より「麻布サロン」主宰。
十代の頃より「食」に興味を持ち、仏・伊・中・和の料理、菓子を一流シェフに学ぶ。
「草月流」生け花を基礎とし、フラワーアレンジメント、フランス刺繍、書道、テーブルコーディネーター等の教師資格取得を生かし、現代の生活にマッチしたトータルライフスタイルを提案し、料理サロンを主宰。器・漆器・クロス・エプロンなどのデザインや「マダムキッコ・オリジナルフーズ」を三越、伊勢丹より限定販売。
レストランのトータルプロデュース、各イベントやセミナー企画・講演等、幅広く展開。
「食」を通して感性豊かな女性として、花を愛で、器を愛し、より充実したポジティブなライフスタイルの向上を目指し「情報、伝統、文化、芸術が広がる食卓」をコンセプトに各分野で活動中。各メディアにも数多く出演・紹介される。
TALK食空間コーディネーター資格取得NPO法人「食空間コーディネート協会」関東甲信越支部委員を務め「食育・卓育」をスローガンに活動。
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■「麻布サロン」はマダムの寺子屋
石川紀久子/著
出版社: 講談社
発売日:2007年2月15日
価格:1,575円(税込)
女優やネイルアーティストが通い続ける「麻布サロン」主催者にして、400年続く寺の住職の妻。
マダムキッコが実践する、料理とインテリアとライフスタイル。 |