眼科松原クリニック院長・松原正裕先生に聞く、まつげエクステを長く楽しむために必要な事、サロン選びの重要性とは。
talk1〜眼科医監修、サロン選びのポイント〜
- 吉川
- 全国でまつげエクステサロンは増えているのですが、衛生面などサロン選びのポイントを、眼科医から見てアドバイスはありますか?
- 松原先生
- やっぱり一番気を付けなければならないのはウイルス性のものですね。ウィルス性結膜炎なんて移るからね。手をいつもきれいに洗ってアルコール消毒する。あと、器具の消毒も大事。使い回ししないようにしないと。
- 吉川
- そうですよね。基本的なことだと思いますが、施術前は手指消毒して、施術に使用する器具類もアルコール消毒しています。 ちなみにウイルス性結膜炎ってなってすぐには分からないのですか?
- 松原先生
- 分からない。だから気をつけたほうがいいんだよね。
- 吉川
- なってからどのぐらいで症状が出てくるのでしょう?
- 松原先生
- それはもうウイルスの種類によって違う。潜伏期間があるからね。
- 吉川
- 潜伏期間には何らかの症状は出るのでしょうか?
- 松原先生
- 目やにや分泌物とかが出て、目を触った手で間接的に移るんです。
- 吉川
- 気をつけないといけませんね。そういったリスクを未然に防ぐために、私たちは常に手指消毒、器具の消毒を徹底し、お客様に安心して施術を受けていただく環境を用意することですね。
talk2〜アイラッシュアーティストという仕事を長く続けていくために大事なこととは〜
- 吉川
- 私はこの仕事をもう10年以上やっているのですが、細かい作業なので私自身も目が疲れやすく視力が落ちてきたりと負担がかかっているなと思うのですが、同じように長く携わってる方々や、これからアイラッシュアーティストになろうとしている方々へのアドバイスはありますか?
- 松原先生
- そうね。細かい作業は裸眼で見える場合は問題ないけれど、眼鏡を選ぶ際はやっぱりきちっと合った眼鏡をかけるのが一番いい。コンタクトでもぴったり合わせると。あとはコンタクトでも近く用のものと、遠くを見る用のものと度をちょっと変えてみるといいですね。
- 吉川
- 全部一緒じゃないほうがいいってことですか?
- 松原先生
- そうだね。近くを見る用の時はあまり強いのはダメだよ。
- 吉川
- 私まつ毛エクステの施術をする時は、産毛もしっかり見えるようにと思って結構強いものをつけています。
- 松原先生
- 度が強いって?コンタクト?
- 吉川
- コンタクトじゃなくて拡大鏡です。
- 松原先生
- 眼鏡は大丈夫だよ。付け替えられるからね。コンタクトだと遠近両用もあるけれど加入度数のバランスを調整しないと目が疲れやすくなってしまうね。
- 吉川
- 加入度数とは何ですか?
- 松原先生
- 加入度数というのは、遠くを見るための度数と、近くを見るための度数の差で、その差が上がっていくと遠くと近くを見るときの見え方の落差が大きくなるということだよ。要するに加入度数が強すぎるとどんどん老眼が進んじゃう。だから調整するものを使わせながらバランスをとっていくんだ。コンタクトで近くも遠くもばっちり見えるようにするのは難しいから、自分の求めている見え方に近い状態を選ぶことが大事ですね。
- 吉川
- 私たちのように近くを見る場合は、それに合った眼鏡を作って使い分ければいいのですね。ちなみに私実は乱視もあって。
- 松原先生
- 乱視は要するに乱視の角度にもよるけど、乱視の度を入れると例えば直乱視っていうほうだと上下が詰まって見える。だから完全に乱視入れ過ぎても慣れてないとクラクラする。だから程よく入れる。でも入れられるならちゃんと全部入れてもいい。合ったものを使うことが大事。
- 吉川
- 直乱視ですか、乱視にも色々あるんですね。
- 松原先生
- あとは目には自然なズレっていうのもあるのね。右目左目っていうのはズレっていうのがある。右目で見るのと左目で見るのとそれを合わせてやるととてもよく見えるんです。
- 吉川
- ズレというのは利き目とかそういうことですか?
- 松原先生
- 利き目もあるよ。利き目はカメラを覗く方の目。人間っていうのは何で目が2つあるかっていったら物を立体的に見たいから。だからエクステつける時は要するに距離感っていうのが大事だよね。立体的にここにつけようと思っても片目だと違うとこにつけちゃったりする。
- 吉川
- そうですよね。なるほど。立体的に見えるために2つあるんですね。確かに片目だけだと見える範囲が狭まりますね。
- 松原先生
- それと距離とかも測ってるからね。要するに3Dになってるわけですよ。カメラっていうのはもう平らなだけで3Dじゃないの。立体視のテレビがあるじゃない。あれは専用の眼鏡をつけると立体的にみえるでしょ。画面が少しズレてるんだよね。
- 吉川
- 眼鏡付けずに見るとズレてますもね。人間の身体って素晴らしいですね!
talk3〜まつげエクステを長く楽しむために必要な事とは〜
- 吉川
- まつげエクステを長く楽しむために眼科の先生から見てどういうところを気をつければよいでしょうか?
- 松原先生
- 長く楽しむね。
- 吉川
- 皆さん一度されるとリピートされる方が多くて、3週間~1か月おきにご来店されるんですね。私たちはエクステを長く楽しんでいいただくためにまつ毛の状態など把握して無理な施術はしないようにしています。ただ目なのでトラブルが起こったりすることも全くないわけではないですし、そういったトラブルが起こらないようにしていくために、 ・・・・・
例えばエクステをつけるとあんまりよく洗えなかったり、洗えるんだけどこすったりとかしちゃいけないから。
- 松原先生
- そうだよね。だから花粉症の時期だったらちゃんと目薬を眼科にもらいに行くとかね。こすると取れちゃうんでしょ?
- 吉川
- そうですね。擦ると地まつげが抜けやすくなりますね。
- 松原先生
- 花粉症のある人っていうのは元々普段もハウスダストとかのアレルギーを持ってるから、そうするとやっぱり痒くなるよね。元々花粉症なんかアレルギーを持ってる人はちょっと要注意かもしれないね。ちゃんとケアしないと。
- 吉川
- 花粉症の方は1年中気を付けたほうがいいですね。私たちも最初にカウンセリングでアレルギーがあるかないかというのは必ずうかがっています。現在充血のある方や何等かの症状がある方、あとドライアイがあまりひどい方は施術しないようにしています。施術をする時に接着剤を使うのですが、ドライアイの方はその接着剤が揮発して目が沁みやすくなるので、カウンセリングの際にお聞きします。 あと、万が一エクステを付けてから瞼のトラブル、アレルギーだったりかぶれたりとか眼球ではない瞼にトラブルでもがあったらすぐに眼科か皮膚科の先生に診ていただくようにしています。
- 松原先生
- そうだね。瞼の炎症は眼瞼炎っていって眼科に診てもらうといいよ。エクステの接着剤が合わなくてかぶれてしまう人もいるでしょう。
- 吉川
- はい。合わない方もいらっしゃるので、事前にパッチテストをおすすめしています。
- 松原先生
- 未然に防ぐには必要だね。
- 吉川
- エクステを付けていると、根元をきちんと洗えなかったりして毛穴が詰まったり、粘膜のマイボーム腺が詰まったりとか、アイライナーやメイクでも詰まったりしますよね?そういうのはトラブルにつながりますか?
- 松原先生
- うん。そうだね。ドライアイとかにつながるかもしれないね。エクステをする人は特に目元をきれいに洗って清潔にしていくことが必要ですね。
- 吉川
- それも長く続けていくために必要なことですね。
talk4〜白目のシミを取る時代〜
- 吉川
- 目元の治療だけでなく美容という面で、先生の病院ではどんなことをされる方が多いですか?
- 松原先生
- 今多いのは白目のシミをレーザーで消す白目のシミ取り。白目にシミがある人って結構いるんです。僕もここにあったんだけど。
- 吉川
- 白目にシミって何でできるんですか?
- 松原先生
- これは紫外線かなとは思うけどそれはちょっと分からない。1回で取れない濃いシミもあるけど、だいたいは1回で取れる。 目元の美容という点では、まつ毛エクステと同じように美意識が高い方が来院されますね。
- 吉川
- 白目に透明感があると、若々しく見えますもんね。
- 松原先生
- あとは紫外線に当たり過ぎると瞼裂斑っていうのができるのね。さっきのとは別で、黒目の横、内側と外側にできるんだけど、だから紫外線はできるだけ避けたほうがいい。
- 吉川
- それは、ほくろみたいなものですか?
- 松原先生
- ほくろ…黄色っぽいかな。黄色っぽいのがちょっと盛り上がってくるんだよね。それは注意したほうがいいかもしれない。
- 吉川
- よく日焼けする人はできやすいですか?
- 松原先生
- できやすい。あとそれがひどくなると翼状片っていって黒目の中に入ってくるのね。
- 吉川
- 視力とかにも関係してくるんですか?
- 松原先生
- 翼状片はすごくひどくなれば視力に関係するけど、基本的には視力には関係しない。
- 吉川
- そうなんですね。
- 松原先生
- だからまつげエクステを楽しむためにはそういう瞼裂斑とかもできるだけ作らないように紫外線を避けたほうがいいよね。
- 吉川
- 白目のシミ取りは初めて聞きました。目元を美しく保つにはまつ毛だけでなく眼球も美しく・・ですね。
本日は色々とお話お伺いさせていただきありがとうございました。
眼科松原クリニック院長 松原 正裕
眼科松原クリニック
http://www.mieru-mieru.com/
昭和60年 埼玉医科大学卒業
昭和62年~昭和63年 岡本ビル眼科開業
平成2年~平成3年 カリフォルニア州立大学サンティエゴ校ペリー・バインダー教授のもとで角膜屈折矯正手術の基礎を学ぶ。
平成4年 その後モスクワのRK手術創始者・フィヨドロフ博士の指導で研究に従事、ライセンスを取得。
帰国後RK、PRK、レーシックを中心とした視力矯正手術に取り組み、近視で悩む多くの人の視力を回復させる。
松原クリニック 開業
備考 アメリカ眼科アカデミー会員
ヨーロッパ眼科アカデミー会員
眼科手術学会会員
日本医師会会員
日本眼科学会会員